新紙幣で旧紙幣はどうなるの?
まずは、こちらが新しい1万円札の人物です。誰か答えられるでしょうか?
この方は「近代日本経済の父」と呼ばれる偉人です。
1840年(天保11年)に生まれ、幕府官僚を経て、明治時代には実業家として活躍しました。
第一国立銀行(現・みずほ銀行)の設立をはじめ、約500以上の企業に関わり、日本の資本主義経済の発展に大きく貢献しました。
また、教育機関や社会公共事業の支援、民間外交など、幅広い分野で活躍しました。
〇〇は、「論語」に基づいた「道徳経済合一説」を唱え、経済活動と倫理観の重要性を説きました。
その功績から、2024年から発行される新1万円札の肖像画にも選ばれています。
〇〇は、まさに日本近代化を支えた偉人と言えるでしょう。
ここまで聞けば、もうお分かりでしょう。
渋沢栄一さんです。
次は、5千円札です。こちらの女性はわかるでしょうか?
日本の女子教育の先駆者
〇〇は、日本の女子教育の先駆者として知られる偉人です。
1864年(元治元年)に生まれ、6歳で日本初の女子留学生としてアメリカへ渡りました。
11年間の留学生活を経て帰国後、女子英学塾(現・津田塾大学)を設立し、日本の女子教育に尽力しました。
女子高等教育の必要性を訴え、多くの女性指導者を育成しました。
また、欧米の学術雑誌に論文が掲載された最初の日本人女性としても知られています。
1929年(昭和4年)に亡くなるまで、教育活動に専念しました。
「良妻賢母」という当時の教育理念にとらわれず、自立した女性の育成を目指した〇〇の功績は、高く評価されています。
文章の途中にヒントもあったので、分かった人も多いでしょう。
津田梅子さんです。
最後は千円札の人です。全員の名前を答えられる人はいるでしょうか?
「近代日本医学の父」と呼ばれる人物です。
1853年(嘉永6年)に熊本県阿蘇郡小国郷(現・小国町)で生まれました。
東京大学医学部を卒業後、ドイツに留学し、ロベルト・コッホ博士に師事しました。
1889年(明治22年)には、世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功し、その功績で医学博士号を授与されました。
帰国後、伝染病研究所所長に就任し、ジフテリア菌の発見やペスト菌の研究など、多くの業績を残しました。
1914年(大正3年)には、私立北里研究所を設立し、後進の育成にも尽力しました。
1931年(昭和6年)に亡くなるまで、日本の医学の発展に大きく貢献しました。
〇〇の功績は、伝染病研究だけにとどまらず、予防医学の重要性を説いたことや、後進の育成に尽力したことなども挙げられます。
「日本の細菌学の父」、「日本の予防医学の父」など、様々な称号で称賛されています。
さぁ、こちらの方のお名前は?
北里柴三郎さんでした。
全員のお名前を言えた方はいたでしょうか?1人も答えられなかった…という人は、ここで覚えてしまいましょう♪
新紙幣はいつから変わるの?
2024年7月3日、新しくお札が変わりました。
お札は何年ごとに改刷(かいさつ)されるか?と言うと、間隔はまちまちですが、近いところではだいたい20年ごとに変わっているようです。
さらに、なぜ改刷されるか?という質問もありますが、それは「にせ札」つまり、偽造防止するために新しい偽造防止技術を加え、デザインも一新されるのです。
いままで日本銀行が明治18(1885)年に第1号のお札を発行してから、56種類のお札を発行していますよ。
新紙幣はタンス預金のあぶり出しをするために発行されたの?
これの答えは「いいえ」です。
日本の新紙幣発行の主な目的は、偽造防止とユニバーサルデザインの導入です。
確かに、新紙幣発行によってタンス預金が減る可能性は指摘されています。しかし、政府はタンス預金のあぶり出しを目的として新紙幣を発行したわけではありません。
●タンス預金が減る可能性がある理由は、主に2つあります。
①旧札が使えなくなる
新しい紙幣が発行されると、旧札は徐々に流通しなくなり、最終的には使用できなくなります。そのため、タンス預金をしていた人は、新札に交換するために銀行に持ち込む必要が生じます。
②金融機関への記録が残る
タンス預金を銀行に持ち込むと、その金額や取引記録が残ることになります。
そのため、脱税やマネーロンダリングなどの犯罪行為を行っていた人にとっては、タンス預金を維持することが難しくなる可能性があります。
旧札は当面の間、引き続き使用可能
新しい紙幣が発行されても、旧札は当面の間は引き続き使用することができます。
そのため、すぐにタンス預金を下ろす必要はありません。
お札の裏側ってどっち?
今まで発行されたお札の表裏の区別は、主模様がある面が表、その反対側が裏となっています。
実際には財務大臣が、日本銀行法に基づいて発行するお札の様式を定める告示を官報にする際に、そのお札の表裏が明示されます。
この告示で「表面」と表示された面が正式に表面となります。
表面は現在の一万円札、五千円札、千円札では肖像のある面で、二千円札では守礼門の図柄のある面です。
ちなみに、硬貨は年号がある面を裏と呼んでいるそうです。
※こちらを参考にしています。
https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/faq/
いままで使っていた旧紙幣はどうなるの?
新しいお札が発行された後も、もちろん旧券が使えなくなるという予定はありません。
お札は法律で無制限の強制通用力があることが定められています。法律上の特別な措置がとられない限り、この通用力を失うことはありません。
既に発行が停止されたお札のうち、現在でも使えるお札は21種類もあるんです。